その他私のホビー

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2020年7月  中村 淳 (第24代・昭和56年卒)  [記事番号:c0141]
音楽の買い方  (資料:無し )

6月初め,そろそろ自粛を解いて出かけようかと様子をうかがっていたら,コロナ ウィルスの状況がまた悪くなってしまいました.6月半ばまで完全在宅勤務だったのが現在は週3日出勤という状況で,これから徐々に出勤率が上がる予定だったのですが,もう少しこの状態が続きそうです.在宅のときはBGMを聴きながら仕事をしています.そこで,音楽の「買い方」について私なりに考え,気づいたことを書きます.

在宅勤務中のBGMは,リラックスして仕事ができるようにするためのものなので,音楽の方に意識がいって集中力が下がらないように,音量やジャンルを選びます.私はたいていジャズ(モダン,フュージョン)やクラシック(バロック,交響曲)を聴いています.ロックはダメですね.つい仕事の手が止まってしまいますから.まあ,ジャズもクラシックも,その可能性はありますけど.

私はAmazonのPrimeサービスを利用しています.最初は購入品の送料無料や配達を早めることが目的だったのですが,いまやPrime Videoを見ることが第1の目的になりました.そのPrimeはPrime Musicという音楽配信もやっていて,そこそこの数の音楽を聴くことができ,BGM音源としても使っていました.BGMはYouTubeでも聴けるのですが,CMが入ったりするのと,ちょこちょこ操作をしないといけないのが面倒なので,使いません.

Prime Musicを聞いてはいますが,それはBGMの音源としてであり,好きな音楽の購入については,これまで私はサブスクリプション(音楽配信サービス)派ではなくCD購入派でした.音楽に限らず,雑誌や,コンピューター ソフトウェアや,今やいろいろのコモディティーまで,サブスクリプションが増えてきましたが,「年貢を納め続ける」という意識があり,好きではありません(それでもKindle Unlimitedを使っていますが).

AdobeのPhotoshopやIllustratorはプライベートでも(RCTCのアルバム写真や「道」のデジタル化,写真の趣味で)よく使っていたのですが,Adobeが調子に乗ってそれらグラフィック ソフトウェアを全部サブスクリプションにしてしまいました.しかも結構強気な値段で.それに嫌気がさして,今年になって私はプライベートでAdobeを使うのをやめて,別の買い切りソフトウェアに乗り換えました.

話が脱線がちですが,とにかく音楽はCDで買っています.CDは今,さがせば安いのがあるんですよね.人気度にもよりますが,中古だと(音質的にはまったく問題なし.デジタルのありがたさ)¥500.くらいから,新品でも¥ 1,000.くらいから買えます.学生の頃,LPは¥2,500.くらいしましたから,物価変動を考えるとずいぶん安くなりました.しかし,安くなったとはいえポンポンとCDを買えるわけでもなく,結局そのまま放置してしまうことも多いです.

ところで,昔とちがって今は,聴いたことのない音楽を耳にしたとき,それが誰の何という曲かを調べる方法がいくつかあり,その音楽評などもかんたんに読めるようになっています.目的の曲がわかると,よけいに欲しくなります.また,昔買いたかったけれど小遣いの都合であきらめていた曲も,そろそろ手に入れたいと思ったりします.

そのような状況なので,CD購入にこだわって今まで通りの状況を続けるか,サブスクリプションを受け入れて音楽に接するチャンスを増やすか,ここ数ヶ月悩んでいました.私が音楽を聴く手段はMacかiPhoneのどちらかです.昔作った真空管アンプもあるのですが,もう何10年も使っていないし,多分修理する必要があるでしょう(部品が調達できるだろうか).クルマのオーディオにもiPhoneをつなげています.つまり,音楽配信サービスを利用する環境は十分なのです.実際Prime Musicを聴いていますし.

それで,追加料金なしのPrime Musicでいろんな曲を漁ってみました.すると,Prime Musicで提供している200万曲というのはちょっと物足りないのです.楽曲を検索すると,「Prime Musicには該当曲がありませんが,有料のAmazon Music Unlimitedで聴けます」と表示されます.絶妙な誘導ですね.音楽配信サービスには無料お試し期間(1–3ヶ月)があることだし,お試しだけでもやってみようと思いました.どのサービスを選ぶかですが,結局Apple Musicにしました.

実際に音楽配信サービスを使ってみると,当然ですが,聴きたいと思うたいていの曲が聴けます.これは単純にうれしいです.自分がミュージシャンや曲の名前を知っているときは直接に検索したり,候補を絞った中から「聴き探し」をしたりして,目的の曲にたどり着くことができます.また,自分の好きな曲と近い雰囲気の曲を探したいとき,ネットの音楽評などの情報を頼りに検索して見つけることもできます.

好みの音楽を新しく見つけたいとき,私がよくやる方法は,好きな分野のプレイリストを「ながら聴き」することです.ラジオ(ストリーミング)を聴いたり,コンピレーション アルバムを聴いたりもします.そうして聴いているうちに運よく,これは,という曲が流れてくれば,そのミュージシャンや曲名を確認したり,同じアルバムの別な曲を聴いたりします.本当に気に入れば,自分のライブラリーに登録し,ダウンロードします.こういう聴き方には,音楽配信サービスがぴったりです.CDを買うとき,ベスト盤やコンピレーション盤はなかなか選びにくいものですから.

そうしているうちに,自分なりに音楽配信サービスとCD購入の位置付けがはっきりしてきました.音楽配信サービスは会員制の図書館のようなもの,CD購入は書店で本を買うようなものです.その図書館では会員である限り,無制限に本を借りられます.しかし図書館を利用する1番の目的は,借りることよりも,いろいろな本に出会い,その存在を知ることだと思います.そして気に入った本が見つかって,いずれ図書館の会員でなくなっても所有していたいと思えば,書店に行ってその本を買います.つまり両者は競合するものではなく,補完するものなのです.

考えてみれば,書店で本を買うときは必ず立ち読みをして内容を確認します.レコードやCDを買う場合,そのようなチャンスがないわけではありませんが,かなり限られた情報しかない中で,アルバムの購入を決めます.いくぶん賭けの要素もあり,それもまたレコードやCDを買う楽しみであるとも言えます.それでも,ちゃんと試聴してから買うに越したことはありません.

そのような,自分が好きになりそうな音楽にめぐりあうチャンスの場が,少しだけお金がかかるけれども,かつては自分の身近にありました.その1つが池袋西口にあったジャズ喫茶ジャンゴでした.コーヒー1杯で1時間半くらい,ねばったかな.行くたびに,マスターが選んだり,客の誰かがリクエストしたLPを2枚分くらい聴いて帰りました.実際,そこで聴いた後に買ったLPもありました.今はジャズ喫茶には行かなくなりましたが,月に 1回ジャズ喫茶に行くつもりになれば,音楽配信サービスの費用も納得できるというものです.

自分なりに結論が出たので,音楽配信サービスを継続して利用しようと思っています.何だよ,結局サブスクリプションのカモにされてるんだろ.その通りです.とはいえ,何かの決定にあたっては自分で納得することが重要で,結局この文章はそのプロセスを確認するためのものだったというわけです.

最後に,その音楽配信サービスで見つけた自分の気に入ったアルバムをいくつかご紹介します.知っている人は知っている,でも自分にとっては新しい発見です.特にKenny KirklandはCDも買いました:

‘That's Me’ by Barbara Dennerlein ‘Alligator Boogaloo’ by Lou Donaldson

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