活動報告

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2013年9月  長田 信男 (第18代・昭和50年卒)  [記事番号:r0063]
会津ラン  (資料:無し )

9月8~10日,会津ランを実施。会津は大河ドラマ「八重の桜」で話題沸騰の地。私の両親の出身地でもあり,観光地ではないディープな会津も見てもらおうと企画。

参加者は,鈴木(宏),遠山,中村,小生(長田)の4名。主なコースは,(1日目)浅草→(鬼怒川温泉)→塔のへつり→大内宿→芦ノ牧温泉→会津若松(ホテル泊)。(2日目)ホテル→鶴ヶ城→新島八重生誕地→藩校日新館天文台跡→飯盛山→石部桜→藩校日新館→(会津坂下町)立木観音→津尻温泉(泊)。(3日目)津尻温泉→熊野神社・長床→喜多方ラーメン・坂内食堂本店→おたづき蔵通り→甲斐本家・蔵座敷→ふれあい通り→大和川酒造北方風土館→蔵の寺・安勝寺→ふれあい通り→喜多方駅。3日間の走行距離約75km。

浅草を東武特急きぬ103号で8時出発。塔のへつり(下郷町)11:22着。塔のへつりは,大川(阿賀川)によって侵食された奇岩がそそり立ち,そこに手掘りの桟道をうがった国指定天然記念物。2時間ドラマの舞台としてしばしば登場する。

当初は塔のへつりから大内宿・大内峠を越えて会津若松に向かう予定であったが,雨天のためとりやめ。大内宿へは次の駅湯野上温泉からタクシーで観光。旧下野街道に取り残された宿場町といえる大内宿では,生の長ネギをかじりながら食べる名物の「ねぎそば」を味わう。宿場町を一望できる展望台もできていた。この間も雨は降り続く。

芦の牧温泉駅まで輪行。空の様子見,雨が上がりそうなので走ることに。しかし,自動車の多さに閉口,阿賀川につくられているサイクリングロードを走ることに。中四合というところで右折,会津若松駅に向かう。途中迷っていると,地元のおばちゃんが私も駅に行くからついてきなと,我々の先導をしてくれた。感謝,感謝。

ようやく会津若松駅前のホテルに到着。もう5時近くになっていた。夕食はかつては街一番の繁華街であった七日町の「渋川問屋」でこづゆをはじめとする郷土料理を満喫する。

2日目,9時ホテルを出発。会津若松駅前で記念撮影。そして,鶴ヶ城へ。白壁の天守閣(親藩・譜代の大名を表す)をもつこの城は,青空にはえてとてもきれいだ。天守閣からは街が一望できる。新島八重の住んだ屋敷跡の目星をつけて,向かうことに。

屋敷跡は城の西,堀を隔てたすぐのところにあった。ただし屋敷跡とする碑の50mほど先が本当の屋敷跡だという。現在は駐車場になっていた。それにしても,あまり広いと思えないところで,どのように鉄砲の練習をしていたのだろうか。すぐ近くには,藩校日新館天文台跡がある。江戸にあったという浅草や牛込の天文台を想起させるものだ。

次に飯盛山に向かう。城や八重の桜大河館の前を通りを東に向かう。東山温泉へ向かうT字路を北上。盆地の東裾を通るい飯盛山通りを走り飯盛山へ。山裾を通るせいか結構アップダウンがある。飯盛山では,動く歩道で山頂へ。白虎隊のお墓詣りをし,地元ボランティアのおじさんに詩吟付で自刃の地に案内していただいた。たしかに城が眼前に見える。

帰路地元の人が推奨するさざえ堂,滝沢本陣を見学する。さざえ堂は同じ階段様の通路を通らずぐるっと一周できるという摩訶不思議な堂宇,滝沢本陣は戊辰戦争時,会津藩の最前線司令部といったところ。殿様も城を出て,ここで督戦をしていたのだという。

福島で桜というと三春にある滝桜がつとに有名だが,大河ドラマのタイトルバックに使われている石部桜も,会津の五大桜にあげられるほどの名木だ。この桜を見るために,飯盛り通りをさらに北上。桜は通りから奥まった畑のただ中にあった。花が咲いたらさぞや綺麗だろう。

会津若松では最後の見学地となる藩校日新館に向かう。ここへの道は急坂なうえ猪苗代方面に抜ける幹線道路となっているのでやたらに交通量が多い。フウフウいいながらようやく日新館に到着。城からだいぶ離れているので,こんなところまで当時の人は通っていたのかと思ったが,近年この地に再建されたものとのこと。朝ほど見学した天文台付近が,本来藩校のあった場所だとのこと。藩校はなかなか立派な建物群で,当時の会津藩の教育熱心さが伝わってくる。什の教えの板碑やら暦を独自につくっていたものなどを興味深く見学。

そろそろ次の目的地,会津坂下町塔寺にある立木観音に向かわなければ。見学のため3時までは伺うという約束をご住職としていたので気が焦る。国道33号を一路,塔寺へ。磐越西線の堂島駅を過ぎ,阿賀川に架かる橋を渡ると会津坂下の町だ。約1時間のランだ。

坂下の町は柳津から只見・小出に抜ける越後街道の主要な宿場町の一つ。歌手の春日八郎の出身地でもあり,新島八重とよく比較される中野竹子(大河ドラマでは黒木メイサがやっていた役)の墓もある。馬肉も名産となっている。お寺には30分遅れでようやく到着。おどろいたことに従兄が待っていてくれた。滑り込みセーフというところ。

立木観音は弘法大師が一本の立木に観音様を彫り込んでつくられたと伝えられ,床下にその根が続いているといわれる。正式名は千手観音立像,全体の高さが8m以上にもなる日本最大級の観音像。是非行かねばと思い立ったのは,NHKの仏像入門という番組で紹介されたのをたまたま見ていて,その立派さに改めて気付かされたからだ。従兄とは夜に宿で落ち合うことにして,お寺をあとにした。

盆地を見渡せる道をのんびり宿へ。途中,磐梯山をバックに記念撮影。今夜の宿である津尻温泉は,喜多方との中間点,阿賀川が新潟との県境をなす山並に入る直前にある。また,故郷に帰ると泊まる定宿だ。夕刻には従兄が宿にやってきてビールの差し入れをいただく。本人は一滴も酒を飲まないのに,すすめ上手だ。夜遅くまでよもやま話に花が咲いた。

翌朝,9時に喜多方に向け宿を出発。これから目指そうとしている喜多方は,蔵とラーメンで有名な街だ。途中,熊野神社長床に立ち寄る。長床は1055年に源頼義・義家親子により創建された,44本の太い柱が立ち並ぶ吹き抜けの壮大な拝殿。この地域には不釣り合いなほどの規模だ。何のためにつくったのだろうか。

ここまで来ると喜多方は目と鼻の先。国道61号をさらに進む。途中,濁川(押切川)を越えると,川沿いに自転車専用道路があり,そこを進むことに。自動車を気にせずのんびりと進む。

まずは混まないうちと,市役所脇にある坂内食堂本店に早めの昼食に行く。前回来たときは平日にもかかわらず外まで行列,食べるのをあきらめ経緯がある。麺は太麺,あっさりしょうゆ味といったところ。限りなく塩ラーメンに近い味になっていた。私は昔食べた醤油のほうが懐かしいのだが。

ここで,ひと事件。宏和氏がデイバックを先ほど休憩した自転車道の休憩所に忘れたという。中村氏も店を出たところであやうくデイバックを忘れそうになる。私はわたしで,ワイヤーをかけたままで自転車を走らそうとして,鍵を壊してしまった。やはり3日目ともなると,疲れからか注意力が散漫となる。歳かしら。

次はお茶だ。中村氏の知り合いから紹介されたという喫茶店を探す。蔵の街を散策しながらおたづき蔵通り(街の東側)にある喫茶店に到着。この店では,ブレンドがアイスコーヒーと同じような大きさのカップに入って出てきた。これには驚いた。

ここからようやく,蔵の街の見物。まずは甲斐本家の座敷蔵を見学。7年余もかけて建築されただけあって,見事なものだ。国登録の有形文化財になっている。通りの反対側には酒どころ会津を代表する酒,会津ほまれの工場が見える。甲斐本家の面する通りがふれあい通りという,蔵の街のメインストリート。造り酒屋をはじめいろいろな業種の蔵造りの店が立ち並ぶ。

駅に向かってふれあい通りを南下。大和川酒造北方風土館へ。ここはCYCLING Japan(日本サイクリング協会機関紙)の喜多方特集の表紙を飾った場所だ。その先の蔵のお寺,安勝寺まで足を延ばす。蔵のお寺のいうのもめずらしい。ここらへんでは郵便局も蔵を模した建物となっている。ふれあい通りに戻り,蔵店を散策しながら駅に向かう。

喜多方駅には2時過ぎに到着。もう少し興味を示してくれると思っていたが,なんとなく歩いてしまい,予定より1時間も早く駅に到着。愛車を輪行にしたり,お土産を買いに走って暇をつぶす。喜多方駅3時50分発の会津若松行きに乗り込んで(郡山行きは午後1本のみ),今回ランも無事終了。

観光地ばかりでないディープな会津も少しは楽しんでもらえただろうか。また,3日も走るコース設定は,歳が歳なのでまったくの平地を走るとか,ちょっと考えたほうがよさそうだ。これを読まれている皆さんも,ちょっと遠いですが,是非一度会津に足を延ばしてみてください。

磐梯山背景に 津尻温泉滝ノ湯にて
そば畑にて 喜多方坂内食堂で名物ラーメン

コメント

2013年10月 森田 由三郎 (第18代・昭和50年卒)   [コメント番号:m0093]
当初、ランに参加を決めていたが天気予報で大雨確実だと知り、北海道砂湯の二の舞を恐れ直前で参加を見送った。参加者のみなさんご迷惑をおかけしました、「ごめんくなんしょ」。会津の血をひく長田君の案内で、初めて乗る会津鉄道、八重の桜巡り、会津ことばを聞いてみたかったのだが、天気には勝てません。いずれ機会をみつけて会津ランに行ってみたい。
2013.10.7

2013年9月 鈴木 宏和 (第18代・昭和50年卒)   [コメント番号:m0090]
長田さんの故郷、会津の歴史を味わい尽くしたランで非常に濃厚でした。地元の方々との一期一会も楽しかったです。それから忘れたバッグは無事取り戻せたのでヨカッタ。以来合い言葉は「バッグ、よおしっ!」

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