私の自転車と周辺紹介

2017年7月　　村山靖夫　（第9代・昭和41年卒）　［記事番号：b0069］
NAKAJIMAランドナー（再投稿）　　（資料：b0069.xls ）

今から8年前、会社定年退職という年の春もまだ浅い頃、先輩の中村さんから思い掛けない自転車でのアイルランド1周旅行のお誘いを受けた。当時ロードレーサー（大学卒業間際に組み上げた1965年製）しか所有していなかったので、曖昧な返事をしていたところ、痺れを切らした中村さんに連れていかれたのが「自転車屋　中嶋」（板橋区大谷口北町）で、そこにはサイズもピッタリの550mmフレームで700/32C/WOのランドナーが展示されていた。

今度造るならこんな仕様かなというイメージ通りのランドナーがそこにはあった。リヤガードを少し細工すれば輪行での使用も可能で、正にお誂え向きとはこのことだった。出費を少しでも抑えるため、中村さんが所有するイデアルのサドル、スギノのチェンホイールを提供して頂き、購入する事にした。

当初、前後のハブ（ノルマンディ）からかなりの異音が出て、カンパへの交換を真剣に考えたが、走りこむにつれ玉あたりが良くなり、今ではロードレーサーの出番はなく物置で埃をかぶっている。肝心のアイルランド行は、結局寒さ厳しい春先に小さなフロントバッグ1つで北海道より緯度の高い異国の地を巡ることの不安が先に立ち、最終的にお断りをしてしまった。

今思えば悔いの残る思い出ではあったが、お気に入りのランドナーが手元に残ったことをせめてもの慰めとしている。今でもイデアルのサドルに跨る度に中村さんへの感謝の念と申し訳なかったという気持ちが、ほろ苦く入り混じって沸き起こってくる。

* この記事は元々2009年に投稿されたものです。