私の自転車と周辺紹介
2023年7月 井出 義實 (第22代・昭和54年卒)
[記事番号:b0084]
続々 私の自転車 摩訶不思議な一輪車モドキ (資料:b0084.pdf
)
続々 私の自転車
世界初のビークル 世にも不思議な一輪車モドキ 試乗もせずに買う度胸
* 資料PDFファイルをご覧ください(HP担当).
とある学生の卒業制作のプロトタイプから,苦節2年の試行錯誤を経て2018年,滋賀県の中小メーカーにより数々の特許の暁にデビューした,トリッキーな一輪車モドキ.名の由来は一輪車でもなく二輪車でもない,だから1.5輪車.その名もアウトレ1.5「ワンポイントファイブ」.
紹介文には「30分で乗りこなせる」と.この鼻の下を伸ばした男心をそそる甘美な誘惑に思わず飛び付いたが運の尽き.初期一輪車世代である40代以下の若い衆なら,恐らく看板に偽りなし.しかし竹馬世代の60代以上には,途方もないハードルの高さ.思えば,一輪車もかつて娘が通っていた小学校の校庭解放日に一緒になって練習.トラック1周はノンストップで漕げる迄には進歩したが,何処に行くかは一輪車に聞いてくれ,と言う未熟でお粗末な態.
何の不安も抱かぬまま,2022年梅雨前の6月1日手元に届いた愛車.マニュアルには目安体重65kg迄と.マジで? 知らなかったがセーフ.満を持して期待に胸躍らせながら早速試乗.ところがアレレ?! こんな筈では…….30分の筈が3時間,30時間,3日,3週間と過ぎ,冷や汗に茫然自失.今更,買う前に試乗だろ!も後の祭り.とんでもない買い物をしちまったかと後悔.
途方に暮れ乍ら,梅雨の日は跨ぐだけのイメトレで「ダウンストロークに後ろ足キック」と念仏.何しろ1円玉程度の段差でも前に転けてしまう程,デリケートな邪々馬.先ずは最低でも平坦車道を安定走行できなければ無意味と,己の生活信条「年寄りに冷や水,歳をとったら無理をしろ」に従い,元手を取り戻す思いで昼夜必死の特訓漬けの毎日.
お陰で8月には人生で初めて現業の保育園を体調不良で欠勤する羽目に(運動性貧血の突発性目眩で,1日中脳ミソがグルんグルん状態).メニエール病でなかったのは幸い.遂には秋の虫の声が聞かれる9月を迎え,やっと公道をヨチヨチ走れるまで何とか上達.思いも寄らない,足に生傷の絶えない日々を送る試練の3ケ月.
リカンベント(2009年5月投稿),リカンベントトライク(2017年12月投稿)と,やたら人目につくド派手な乗り物に,これ迄の人生3分の1以上乗り続けているうちに,何やらLGBTなる新語に法律まで生まれる世の中に変わるや,マイノリティを自認する自分にはフォローな,もはや怖いものなど何処吹く風.世間のネガティブな嘲笑や冷やかしにはすっかり免疫慣れ.
でもこの1.5輪車は8段変速とかなりのスピード感.人前を通り過ぎた後に「今のアレは? 何ナンだ?」と,冷やかしとは明らかに異なる正直な反応.驚愕の声をドップラー効果音のように幾度も耳にする.
定年退職する迄職場でバランスボールを5年程使用していた事もあり,体幹はそれなりに鍛えていたが,この1.5輪車を毎日乗りこなす事で,更にブラッシュアップされてきたなと実感.
直立のハンドルはスタート時と上り坂,下り坂で握るだけで,巡行時は手を添える程度.背筋をピンと伸ばして行儀良く.為にアゲンストでは右に左にヨーロヨロ.凸凹やダート,坂道発進は大の苦手.完全舗装でも路面状況を常時注視しながら,前傾でなく後傾で,背後への五感をひたすら研ぎ澄ませ,スピードを抑え,下り坂ではより慎重に,常に緊張感を持って無事,安全に乗りこなす.油断は禁物.ハンドルではなくバランスが命で曲がる,サーカスの曲芸的バイク.
一輪車で公道を走るのは恐らく傍迷惑かもしれないが,この1.5輪車は直進性に安定感があり,人様に迷惑を及ぼすチャリの類とは一線を画す.
これでもかと魂を揺さぶり三半規管を弄ぶ,ハードコアで超エクスタシーなマシン.現役保育士の爺々先生として,乳児幼児達の元気過ぎるエナジーパワーを毎日全身で受け止めるには過不足ない,趣味と実益を兼ね備えた待望の体幹筋トレグッズ.この先の保育士人生を共に歩んでくれる実に頼もしい良きパートナーとの邂逅に今では感謝.
目立つ事はイイ事だよと,幼な子達のよきロールモデルとして,モットーを改めることなく,アクの強い,インパクトに富んだ面白い自転車との遭遇を思い抱きながら,残りの人生も謳歌しようかと.自己責任は承知の上で,相も変わらず都会の四輪ドライバーの腕をひたすら盲信し続ける,他力本願な毎日です.
「オジサン構文を陳謝」
2023年7月
第22代 昭和54年経営卒 井出 義實
コメント
2023年9月 石橋 正 (第17代・昭和49年卒)
[コメント番号:m0330]
井出さんが投稿されてから、2ケ月が経ってしまいましたが投稿させてもらいます。 井出さんが、この “じゃじゃ馬1.5輪車” を乗りこなすご努力!は並大抵ではないことが投稿された、文章に滲み出ています。
今回の “1.5輪車” それはそれは、目立つでしょうネ!! 通り過ぎた人が「今のは、なんだ!」との反響であるとか。私世代だと “スーパーマン” というテレビ映画がありましたが、「鳥だ! 飛行機だ! スーパーマンだ!」に匹敵するくらいの驚きでしょうね。
リカンベントに続き、目立つ事を信条!(いや失礼)にしておられる井出さん、少数派であってもいい、個性があればとお考えではないかと推察します。保育士をされているとの事で、井出さんと接する多くの子供達はさぞかし幸せでしょうね。
最後に締めとして「スーパーマンの真っ直ぐ名言集」から
• 人々は、自分の理解できないことを怖がっている。
• 時には、とにかく自分を信じて挑戦しなければならない。
• 多くの夢は、最初は不可能にしか感じられない。
• 夢は人を救う。
• 君は自分で思うよりもっと強いんだ。
さすが王道ヒーロースーパーマンの真っ直ぐな名言です。子供達にとって、井出さんはスーパーマン的存在ではないでしょうか。
2023年7月 中村 淳 (第24代・昭和56年卒)
[コメント番号:m0325]
井出さん,リカンベントの次はこれですか.「目立つ」至上主義の井出さんの面目躍如ですね.
outreのホームページで乗車の動画を見ました.まさに井出さんの言われたとおりの姿勢で乗っていますね.確かに乗りこなすのは難しそうですね.極小径の前輪と短いホイールベース,高い重心点,私だったら恐怖を感じてしまいます.いずれ実車,というか井出さんの乗る姿を拝見したいです.
前輪のアームの「く」の字はリンクではなくリジッドなんですね.なんであの形なんだろう.強度的にはストレートアームのがいいかと思いますが.それにキャスター角がほぼゼロでトレーリングアクスル.つまり椅子や台車の「キャスター」と同じですよね.ハンドルはステア機能がなくフレームにつかまるための取手ですね.普通の自転車で常に手放し運転してるような感じでしょうか.
この記事を読んで思い出したことがあります.パレットジャッキ(またはハンドリフト)ってご存知ですか.工場や倉庫などで荷物の載ったパレットに2本フォークを突っ込んで,油圧で浮かして,人力でフォークの下の車輪を転がして運ぶ道具です.あれ,空の状態で2本フォークに両足で立って,体重を左右に揺動させるようにかけ,それと同期するようにハンドルを揺らすと,結構なスピードで走らせることができるんですよ.くだらないことだけど得意でした.
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