その他私のホビー
2020年12月 小野澤 睦 (第21代・昭和53年卒)
[記事番号:c0143]
「東北線 水戸線 常磐線 大回りの旅」に誘われて… (資料:無し
)
中村さんの「東北線 水戸線 常磐線 大回りの旅」に誘われて、私も時空を大回りにさかのぼって、森田童子のアナログLPの時代までさかのぼってみました。「Good Bye」というLP(右)と「Boy」というLP(左)。レコードに「’77」と印字がありますが、これもン10年ぶりに聴いてみました。とにかく暗い。でもイイ♪
森田童子は本当に暗かった…時代そのものが暗かったと思う。森田童子も暗かったけど、当時世の中は暗い唄ばっかりだった。例えば「昭和枯れすすき」(生まれた時が悪いのか それとも俺が悪いのか…)とか、井上陽水の「傘が無い」(都会では自殺する若者が増えている…)とか、かぐや姫の「マキシィのために」(マキシィ! なぜ自殺なんかしたのさぁ? 睡眠薬を100錠も飲んでさぁ♪…)とか。
「マキシィのために」のことをRCTC同期の福山荘子ちゃんに話をしていたら、本気で心配してくれて、「睡眠薬を100錠も飲んだら、吐き出しちゃって死ねないのよ…」と小生の顔を覗き込んで心配してくれた事があった…。彼女も時空を飛び越えて、このサイトに来てくれるといいのになぁと、心から思います。
コメント
2023年9月 小野澤 睦 (第21代・昭和53年卒)
[コメント番号:m0328]
おととい晩ごはんに何を食べたか思い出せなくなっているように「こんな事を書き込んでいたんだ」と3年前の投稿を改めて読み返しました。いろいろと勘違いしていたものですね……。中村さんの投稿を読んで姫野カオルコの超短編作品「かんちがいしがちな偉人伝」を思い出しました。以下に注釈も含めて引用します。
【かんちがいしがちな偉人伝】
いつものように子供たちとかくれんぼをしていた良寛さまは、びょうぶの裏にじっとしゃがんでいました。
「ありゃま、良寛さま、こんたところでなにしてなさる」
お百姓さんが声をかけると、
「しーっ」
良寛さまは指を口にあてましたが、もう夕暮れ。
「子供たちはとっくに帰ってしまいましたよ」
お百姓さんから教えられ、良寛さまはかなしくて泣きました。涙が床におち、それはみごと鼠の絵になっています(注1)。
「やっぱりすごいなあ、良寛さまは。絵の天才だ」
お百姓さんは感心してそっくりかえりました。
「それではわたしも帰ろう」
良寛さまは背中に薪をかつぎ、本を読みながら帰ってゆきました(注2)。帰るとちゅうに橋がありまして、『このはしわたるべからず』という立て札がしてあります。あるお金持ちが自分の物として橋を買ったのでした。ですが、本に夢中になっている良寛さまは指示を無視して橋をわたりました。
「こら、渡るなと立て札がしてあるだろう」
係りの人がこわい顔で良寛さまの首ねっこをつかまえました。
「はい。ですから、はしをわたらずに真ん中をわたっています」
良寛さまは、得意のとんちを返して係の人をぎゃふんといわせました(注3)。
家に帰ると良寛さまのお母さんが、
「おかえり、てんぼう(注4)。でも、本を読みながら歩くようなだらしない子に、母はおまえを育てたつもりはありません」
と、たいへん叱りました。
良寛さまは反省して医術の勉学にはげみ、やがて貧しい人をただで診察してあげる小石川養生所をつくりました(注5)。なんて偉い良寛さまでしょう。
【かんちがいしがちな人への注釈】
注1 涙で鼠の絵を描いたのは画僧の雪舟です。
注2 薪をかついで本を読みながら歩くのは二宮金次郎です。
注3 とんちで橋を渡ったのは一休さんです。
注4 厳しい母上を持ち、てんぼうと呼ばれていたのは野口英世です。
注5 小石川養生所にいたのは赤ひげ先生です。
出典:姫野カオルコ著『バカさゆえ…。』角川文庫 1996年初版発行
話もどって、ザ ブルーベル シンガーズ の「昭和ブルース」のEPレコードを棚からひっぱり出してきました。ついでに「非情のライセンス」ではないですが「特捜最前線」のテーマ「私だけの十字架」(by チリアーノ)と「赤色エレジー」(by あがた森魚)も。いずれも発売当時に買ったものではなく、だいぶ後になってから懐かしさにひかれてヤフオクで入手したものです。
「特捜最前線」は少し年代が後の方、1979年~1980年ころ?のTVドラマでした。まだ世の中はバブルで踊らされる直前、1ドル240円が180円となり輸出企業にとっては厳しい時代でした。私の勤めていた会社も「コストダウン」「コストダウン」を連呼しケチケチに徹していました。世の中は暗かったです。このままでは日本の輸出製造企業は滅びてしまうのではないかと……。
「特捜最前線」も暗いドラマで、毎回ストーリーが完結する形で毎回事件の犯人は「御用」となるのですが、犯人は極悪非道ではなく根は善良な人間で、そこまで人を追い込んだ状況・背景を恨めしく思う、そんなドラマでした。毎回ラストシーンで流れるチリアーノというガイジンが歌う「私だけの十字架」が涙を誘っていました。
それはともかく……「若者たち」なつかしいですね。当時白黒テレビで観ていました。ザ ブルーベルシンガーズのメンバーの1人でもあった田中邦衛の劇中のキャラはそのまま「北の国から」でも変わりませんでしたね。
「北の国から」のテーマはさだまさしの作品ですが、さだまさしは「きだまきしと Take It All JAPAN テキトー ジャパン」という名前でパロディー版のCD+DVDアルバム「大変なンすからもォ」を2012年にリリースしています。登場人物は「きだまきし」(さだまさし)の他に「葉山 洋三」(加山雄三)、「干 雲丹子・ほし うにこ」(岩崎宏美)という豪華メンバーです。
2012年秋、さだまさしのコンサート@長崎に行きコンサート会場でこのアルバムを買いました。その足で熊本に行き同期の上田亮介君に会い一緒に酒を飲みました。亮介君にもこのアルバムをお土産としてプレゼントしたのですが、亮介君とはこれを最後に今でも音信不通になってしまっています。
EPジャケットの写真を撮ったのですが、最初の投稿に後追いするコメントでは写真がアップ出来なかったのか? ちょっと残念です。
長くなり過ぎてしまいました。このへんで切り上げようと思います。
2023年9月 中村 淳 (第24代・昭和56年卒)
[コメント番号:m0327]
久々にこの記事を読んで,気になって少し調べた結果を書きます.
記事本文の,「昭和枯れすすき」(生まれた時が悪いのか それとも俺が悪いのか…),という部分ですが,この歌詞は自分にも強く印象に残っていて,今でも好きな曲です.しかし検索すると「昭和枯れすすき」は「貧しさに負けた いいえ 世間に負けた……」という歌詞の別な曲でした.それはともかく…….
この「生まれた時が悪いのか それとも俺が悪いのか……」という歌詞の曲は「昭和ブルース」でした.さらに検索すると.TVドラマ「非情のライセンス」で天知茂が歌って有名になったそうです.他にはフランク永井や杉良太郎が歌っていますが,聴いてみると,自分の記憶にある声ではない(ところで,杉良の歌はあの「金さん」の雰囲気そのもので,笑いました).いずれも,大人の男が人生の悲哀を歌う雰囲気で,ちょっとちがう.自分のイメージは,若者が社会の矛盾を感じて葛藤するというもので,サビの裏声が特徴的でした.
さらに調べた結果,ザ ブルーベル シンガーズというグループの曲がオリジナルで,自分の記憶にあるのもこの曲でした.TVドラマ「若者たち」の映画化第2作「続若者たち 若者はゆく」の挿入歌で,三郎(山本圭)が学生に占拠された講堂(安田講堂?)に立ち入るシーンでした(私は「若者たち」TVドラマ全編と映画3部作すべてを録画で持っていますので).だけど三郎は早稲田のノンポリ学生な筈ですけどね.それもともかく…….
私が惹かれるのは,音楽ではこの「昭和ブルース」,ブロードサイド フォー「若者たち」,フォーク クルセイダーズ「青年は荒野をめざす」「イムジン河」…….映像ではやっぱり「若者たち」ですね.5人兄弟妹が葛藤し怒鳴りあう姿が印象的でした.柳澤さんが卒業した1958年に生まれた私も,そうした時代の閉塞感の名残を感じていました.経済にも自由にも恵まれた現代ですが,あの時代を懐かしく思うことがあります.
2021年5月 小野澤 睦 (第21代・昭和53年卒)
[コメント番号:m0306]
中村さん、「健康のため読み過ぎに注意しましょう」、私にも経験があります。高校生の頃、現代国語の先生が授業のサブテキストに梶井基次郎をとりあげました。たしか角川文庫の「城のある町にて」と題された作品集だったと思います。梶井基次郎も肺を患って若くして亡くなった人ですね…。作品の中に「肺尖カタル」という単語が登場していたのを覚えています。その本に収録された「桜の樹の下には」とか「檸檬」、「瀬山の話」といった作品の暗~い世界に引き込まれたしまったのです、当時10代で純粋だったおのざわ少年は、何度も何度も読み返しました…。
この不健康な「暗さ」に染まってしまった私は、その後大学生になってからも、グレープ(さだまさし)、下田逸郎、りりィ、荒木一郎、井上陽水といった暗い音楽の世界に引き込まれて行ってしまったのでした。このほかにも当時暗いミュージシャンはウヨウヨいました。洋モノではギルバート・オサリバンなんかも…。そんな環境の中で、森田童子のレコードを私は2枚しか買わなかった! これは賢明な選択だったと思います。
姫野カオルコ読んでみてください。でも、決して音読はしないように…。
2021年5月 中村 淳 (第24代・昭和56年卒)
[コメント番号:m0305]
小野澤さん,「健康のため聴き過ぎに注意しましょう」,私もそう思います.私の「悲劇的,絶望的なものをつい見たくなる」別の例ですが,就職して少しした頃,森村誠一の「悪魔の飽食」(角川文庫の3部作)を読みました.最初の本を読み始めたら,どんどんのめり込んで,短期間のうちに全部読んでしまいました.その内容が凄惨というか,生物化学兵器を作り,生体実験し,さらに「改良」する関係者の心理がとても異常で,なにげない日常生活を送りながら夜にそんな本を読んであれこれ考える自分がまるで偏執狂にでもなったかのように感じられて,しばらくふさぎこんでいました.……そんなこと(この場合「聴き過ぎ」でなく「読み過ぎ」ですが)を思い出して,このセリフには大いに頷きました.
姫野カオルコ,私はまだ読んだことがありません.読んでみようと思います.
2021年5月 小野澤 睦 (第21代・昭和53年卒)
[コメント番号:m0304]
中村さん、投稿「怖いもの見たさ」拝読しました。私もYouTubeで森田童子聴いてみました。私の持っている2枚のアルバムに入っていないのに、むかし聴き入っていた曲がいくつかありました。「ぼくたちの失敗」もそうですし「ぼくと観光バスに乗ってみませんか」も久しぶりに聴きました。たぶん当時FM放送のエアチェックをしてカセットテープで聴いていたのだと思います。
私が森田童子のレコードを2枚しか買わなかったのは「あまりのめり込み過ぎてはいけない」と心の奥で思っていたからなのだと思います。今回中村さんの投稿がきっかけになりYouTubeで延々と森田童子を聴いてみて改めて思いました「健康のため聴き過ぎに注意しましょう」タバコじゃないですが。
「悲劇的、絶望的なものをつい見たくなる」欲求を満たし、且つドーパミンで幸福感に浸りたい向きには、私は姫野カオルコの小説「ツ、イ、ラ、ク」と「桃」をお勧めします。これら2作品でひとつのストーリーになっています。私は1990年のデビュー作から2005年の「桃」まで姫野カオルコのすべての作品を読みました。その後2013年の「昭和の犬」で直木賞を受賞したのですが、その少し前のこの2つの作品が姫野カオルコの頂点だったと思っています。「意見には個人差があります」ですが。
あと、「風立ちぬ」映画館で観ましたが2013年の作品でしたか!? あれから8年も経ったとは信じられません。驚きです。
2021年4月 中村 淳 (第24代・昭和56年卒)
[コメント番号:m0302]
小野澤さん,森田童子については,自分も当時やその後に思うことがあったので,別記事で投稿しました.よかったら見てください.
最近,コロナ禍で外出を控えているせいで,音楽やら読書やら気になることを調べるやらにかまけて,あまりアクティブな活動をしないので,自分の性格もあって,とりとめのないことを考えたりすることがよくあります.文庫も(Kindleですが)けっこう読んでいます.まるで10代や20代に戻ったような気がして新鮮ではあります.
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