写真私のホビー
2021年12月 中村 淳 (第24代・昭和56年卒)
[記事番号:c0146]
立教のクリスマス写真 (資料:無し
)
茨城立教会の名で,校友会からクリスマス カードが届きました.正門のあたりから,イルミネーションに飾られた2本のヒマラヤ杉とその間に見える本館の夜景を撮った,おなじみの写真です.茨城立教会に限らず,皆さんのところにも同じカードが送られているかもしれませんね.マットな紙に印刷されているので,スキャンしただけだと細い紙の繊維が目立つだけでなく彩度やコントラストも落ちるので,レタッチしてみました(写真1).この写真を見ていたら,以前自分も同じ景色を撮ったことを思い出しました.そこで,私からのクリスマス カード代わりに,それらのあれこれについて書いてみました.
カードの準備や印刷には時間がかかるので,この写真はおそらく2020年のものでしょう.本館は今も美しい姿を保っています.その本館右側の奥には,私が現役の頃にはなかった高層の建物があり,違和感を覚えます(ミレニアムの変わり目あたりからキャンパスに続々新設された建物は,回りの景色との調和を考えた形跡はうかがえるものの,モダンでガラス面積が大きく塊感が強すぎて,個人的にはレタッチで消したいくらいです).この建物はマキムホールというそうです.かつて山小屋があったあたりに建っています.そういえば山小屋の近くには半地下の体育館もあった記憶があります.立教の構内も時代とともに変わっていきます.
さらにこの写真をよく見ると,何人かのぶれた人影とその人たちが写真を撮る際のスマホの画面が写っています.長時間露光による撮影なので,人影はあまり目立ちませんが,スマホ画面は幽霊のようにぼうっと浮かんでいて,ちょっと不気味です.車両通行止めの標識やいくつかの注意書の看板も見えて,邪魔に感じます.本館はシルエットになっているので,ライトアップされていないのでしょう.
2015年12月のOB/OG会運営委員会の後,セントポールズ会館から池袋駅に向かって歩いていたら,そのときも本館前でイルミネーションが点灯していました.私は偶然にもカメラと三脚を持っていたので,立教のクリスマス写真を撮ってみました(写真2, 3).
このとき本館はライトアップされていて,建物の煉瓦の色やつたの這う様子もよく捉えられました.撮影は三脚を使って15秒露光しました.やはりスマホで写真を撮る人が多くいて,表側も裏側も,人通りのある通路上に三脚を立てるわけにもいかず,邪魔にならない場所で構えたので,正面からではなく角度がついた画になりました.
そのように回りの人に配慮していたし,平和に撮影ができていたのですが,警備員がやってきて,許可を取っていない三脚撮影はご遠慮ください,とやんわり言われました.施設によっては三脚使用がNGという話は聞いていましたが,私には初めての経験でした(許可を受けた場合,腕章をつけて撮影できるようです).仕方ありません.それまでに何枚か撮っていたので,そこでやめました.
家に帰ってから現像しました.ツールとして準備はありますが,私は基本的にHDRを使いません.使うと,その程度にもよりますが,やはり超現実な画,安っぽい画になる気がします.そのかわり,RAWデータの現像は不自然にならない範囲で工夫します.デジタル写真の加工には賛否両論ありますが,感材による分光感度や発色特性のちがうフィルムを使ったり,覆い焼きや焼き込みがおこなわれるのと同程度に,デジタル加工も許されると考えます.そもそも,仕上がり設定(イメージセンサー出力から画像データへの変換)の選択はすでに画像加工作業ですから.私は,現像やレタッチの極意は,「ほどほど」とか「不自然を感じる直前」と心得ています.これが難しいのですが.また,現像でもレタッチでもないけれど,偏光フィルターで空を青くしすぎると,やっぱり違和感が出ます.それで青すぎる空の色を戻すという,逆レタッチをすることもあります.
今思うと,立教には歴史的建築物が多くあり,とても貴重な環境です.それなのに学生時代の自分は意識が低く,ただ漫然とそれらの施設に出入りしていたことが悔やまれます.当時しっかり目に焼きつけたり,写真に撮ることができたのに,その後取り壊されてしまった建物は,もはや記憶の中で霞んでいくだけです.今後は機会あるごとにキャンパスのあちこちをもっと味わってみたいと思います.
本館表側 | 本館裏側 |
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