活動報告
2018年5月 浅賀 啓太郎 (第18代・昭和50年卒)
[記事番号:r0255]
2018年 ふくとイカとみすゞの山口 (資料:無し
)
2018年 ふくとイカとみすゞの山口
今年も5月20日から24日までの5日間、北九州から山口県にて合宿を敢行した。2013年 北海道、2014年 しまなみ海道、2015年 佐渡島、2016年 九州佐賀、2017年 下北半島・函館に続く合宿ランである。動機は昨年大間のマグロに続き、下関のフグを元気なうちに食べたい!との強い思い。参加者は井上、長田、遠山、鈴木幸治、中村、浅賀、51年卒の青木清子さんの7名。森田、鈴木宏和は緒事情により出走を断念。今回のテーマ、「多くがアラセブンの集団が無事に帰宅する事!」距離を求めず、様々な出会い(フグとイカ)と感動(みすゞ)を求めてイザ出発。
1日目 5月20日(日)
東海道新幹線東京駅7:10発のぞみ9号に輪行を持ち込み、小倉11:51着。九州上陸! 鹿児島本線に乗り換え、門司港駅に移動、下車。自転車を組み立てる。門司港にはレトロな洋館が多く、雰囲気がたっぷり。いにしえには九州と本州との窓口として栄えたようだ。まずは腹ごしらえと観光案内所にて情報収集、海峡プラザにて海鮮丼にかぶりつく。クラシックカー、大道芸を見ながら海沿いを歩き、地上103m門司港レトロ展望室に登る。我ら知恵者は、ガラス張りの展望室からは門司港レトロはもちろん、関門橋や対岸の下関市、巌流島、壇之浦まで見渡し、大所高所これからの道のりを考えた。
今回わざわざ九州に上陸したのは、トンネルを歩いて九州から本州に渡るため。関門トンネル人道に向かう。エレベーターで地下約50mまで降りると約780mの人道トンネルがあり、歩いて約15分で本州と九州を行き来することができる。最深部県境で福岡県から山口県をまたいだ。自転車20円。ふたたびエレベーターを昇り、山口県下関市に上陸。壇ノ浦では平家の悲劇を想い、長州と英国との砲撃戦の敗因を感じながら、赤間神宮(源平壇ノ浦の合戦において、二位の尼に抱かれて入水した幼帝安徳天皇を祀った神社。)を参拝し、今晩の宿ゆめタワー前に向かう。
ひと風呂浴び、ホテルにて下関フグ推奨店を聞き、今回の主要目的のフグを目指す。(どこに行っても感じるが、地方は繁華街と言っても人通りが少なく寂しい。)推奨のフグ専門店「破れかぶれ」に着くも店前でメニューの表示価格に足踏み。お酒を飲んだら更にどうなるか? 店前にたたずむ老人が「本物のフグを安く食べられる店はここ以外にない。東京の半値だ。」その言葉に背中を押され店に入ってしまった。老人は店主だった。
ふぐの本場とされる山口県では濁らずに「ふく料理」という。刺身は「テッサ」とも呼ばれる。フグ肉は繊維質であり、普通の刺身では弾力がありすぎて噛み切ることが難しいため、切り身が透けて見えるほどの「薄作り」で刺身にする。稀少品なので、少しでも長く味わえるための工夫した結果、薄切りが一般化したという俗説は誤りである。てっさ、唐揚げ、雑炊も美味かったが、フグの皮焼きは旨かった。又何杯おかわりしても香ばしいフグヒレ酒が忘れられない。
本日の走行距離15km。
2日目 21日(月)
今日は合宿最長の50km超を走る。朝から緊張が走る。ホテルを8時30分に出発し、港に戻る。せっかくだからと巌流島に朝一番の船で渡る。武蔵、小次郎の決戦像の前でいつものチャンバラを開始。何と清子氏が「私、武蔵をやりたい!」小次郎は一撃でやられてしまった。
船で港に戻り、ひたすら191号を北上する。登り坂があれば下り坂がある。下るときっと上りがある。下りだけなら何と嬉しいことか。今回いつもの写真係り、宏和氏と森田氏が都合により不参加。急遽写真係りに指名した中村氏が期待以上の役割を果たした。上りでは軽々と我々を追い越し、先回りし写真や動画を撮ってくれた。次回以降写真係りの本命に躍り出た。下り坂では異変が有った。同じDAHONながら、幸治車が遅い。浅賀車はブレーキをかけないと追突してしまう。めんどうだ。追い越してしまえ。下りだけでなく上りも遅い。幸治氏いよいよ衰えたか?
16時前ようやく本日の宿、西長門リゾートホテルに到着。本日途中から長田氏も無事合流した。目の前に角島大橋が一望できる大きなリゾートホテルだ。毎晩の宴会は楽しい。フグの唐揚げが美味い。これがあるからやめられない。宴会後部屋でいつもの反省会と思ったら、幸治氏が布団に入って疲れてダウンしてしまった。齢のせいか?
本日の走行距離55km
3日目 22日(火)
平成12年に開通した角島大橋は、離島に架かる橋のうち、無料で渡れる一般道路としては、日本屈指の長さ(1780m)。コバルトブルーの海士ヶ瀬をまたぎ、景観と調和した雄姿は、北長門海岸地域随一の景勝地だ。ここをこれから自転車で走る。意気込んで出発準備を始めると、幸治車に異変を発見、後輪に常時ブレーキが掛かっている。昨日までの遅い理由が判明した。(適度なハンディキャップとの声もあったが)合宿の最大の名所角島大橋は、実際に走ると見た目以上に長く、橋からの風景も美しく、その名にたがわぬ名勝だった。
今日は191号線をひたすら東に走る。いくつかの高くない峠を越える。長田氏が喘いでいる。遅れだした。体調が悪いのか? この先走れるか? 何度かの休憩をとり待っていると、ようやく追いつき、発した言葉「ブレーキがリムに接し、ブレーキがきいていた。」幸治氏といい、長田氏といい乗車前の点検が出来ていない‼ ようやくペースが上がり、快調に長門市仙崎を目指す。
実は今回も合宿のコース検討や宿泊場所予約などは、名幹事宏和氏が行った。緒事情で参加出来なかったが、心は一緒に走っている。グーグルマップで常時位置を把握し、適切なアドバイスが届く。今日も午後の休憩中に、「2時40分に青海島観光遊覧船が出港する。次の船は4時」。あと10kmほど、1時間後だ、今から走れば間に合う。スピードを上げた。みんな必死についてくる。青海島遊覧船乗り場に着いたのは10分前、乗船したのは5分前だった。ギリギリセーフ、宏和さん有難う!
青海島は、北長門海岸国定公園の代表的な景勝地で、「海上アルプス」の別称で呼ばれている。日本海の荒波を浴び、波浪に侵食されて断崖絶壁、洞門、石柱、岩礁などが16kmにわたって変化に富む豪壮雄大な景勝をつくり出していた。80分の遊覧船観光を満喫し、本日の宿長門市仙崎「喜楽」に到着。
透き通るような美しい姿と、身が柔らかく味がよいことから「イカの女王」と称されるケンサキイカ。長門市仙崎市場に水揚げされるケンサキイカのなかで、一杯一杯丁寧に釣り上げられたもののみを「仙崎イカ」という。店内の大型の生け簀、注文と同時に引き上げられ、さばかれたイカは絶品だった。佐賀ラン時、唐津で食した呼子活イカ以来だ。
本日の走行距離40km
4日目 23日(水)
天気予報どおり朝から雨、予報では午後まで降り続ける模様。萩までの30kmには峠もある。しかし山陰本線は朝の通勤の後は14時まで走らない。何が山陰本線だ? そこは人生経験豊かな知恵者達。今合宿のモットーは全員が無事に帰宅する事。この考えに従い、今後の動きの検討開始。萩までは路線バスが電車より頻繁に走り、輪行も載せてくれる。やった! ミニベロ3人(幸治、清子、浅賀)はヤマトを呼び、宿から自宅に輪行発送。ロード3人は輪行しバスで運ぶ。(もう1台ミニベロ井上は、ヤマト便用輪行袋を萩のホテルに送ったとの無意味な行為で、萩まで運びヤマト便とする。意味わかんねー)
雨の中、バス時間前に「金子みすゞ記念館」を訪れる。俗世間の垢にまみれた我々は、みすゞさんの詩に触れて深く反省。萩行きバスに乗車、快調に峠を越えた。雨でコンビニもない山道、バスで良かった。萩グランドホテル天空に到着。昼頃のため、荷物を預け、ホテルスタッフお薦めのうどん屋「どんどん」に向かう。肉うどんが安くて美味かった。
せっかくの世界遺産の萩だ、観光しよう!ぶらぶら歩きながら萩城下町を散策する。高杉晋作誕生の地、美しい白壁となまこ壁がつづく通り、藩の豪商・菊屋家、第26代総理大臣・田中義一の誕生地、萩は昔の地図が今も使える。小雨が続くなか、萩博物館に入る。ガイドの説明を聞くと良く頭に入る。名物夏みかんアイスクリームを食べた。なんと中村氏は食べきれなかった。グランドホテルの夕食は、またまた「ふく懐石」焼き物、唐揚げ、刺身、鍋、お吸い物、茶碗蒸しと満喫。
5日目 24日(木)
雨も上がり晴れた。荷物を送り身軽になった。ホテルの貸自転車で萩歴史観光の続き。松陰神社に向かう。維新の原動力となった吉田松陰を祀る神社で、境内に松下村塾も移されている。観光客も多い。次いで明倫館跡の明倫小学校本館に入る。NPOの方々の説明がありがたい。
萩観光を終え、秋吉台、秋芳洞に向かう。東萩駅前から輪行3台と共にバスに乗車。カルスト台地を車窓に見ながら70分で秋吉台に着く。特別天然記念物秋芳洞は今まで見たどの鍾乳洞より大きく、すごかった。百枚皿、黄金柱など来てよかった。
ここで遠山氏と別れる。遠山氏は新山口まで自転車道を一気にダウンヒル。無事を祈る。残り6人はバスで新山口に向かう。新山口であなご弁当を購入し、しばしの合宿打ち上げ。新山口16:26発のぞみ46号に乗車、皆24日中に無事帰宅。
我らが帰宅した翌々日に「ブラタモリ萩編」が放送された。記憶の風景と重なり嬉しかった。明倫館も映された!
今合宿を振り返る。みんな無事に完走できて良かった。良かった。今回もおおむね天候に恵まれた。(23日以外)コース検討や宿泊予約など準備してくれた宏和さんありがとう。随時のLINEアドバイスありがとう。いつもの忘れ物事件もいくつかあったが、お互い様。
私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のやうに
たくさんな唄は知らないよ。
鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。
「2018年 ふくとイカとみすゞの山口」はこれにておしまい。
九州から本州へ! | 巌流島の決闘! |
下関から角島へ! | 「ブラタモリ」共演! |
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