活動報告
2015年5月 浅賀 啓太郎 (第18代・昭和50年卒)
[記事番号:r0123]
佐渡島半周合宿ラン (資料:r0123.doc
)
佐渡島半周合宿ランの報告
50年卒 浅賀 啓太郎
5月30日から4日間、日本海の離島佐渡島で合宿を敢行した。
「2015佐渡ロングライド210」の熱が冷めた頃を見計らって日程を設定。きっかけは(51年卒)青木清子さんの「佐渡に行って見たいな!」の一声に賛同した(50年卒)長田、鈴木(宏)、浅賀の3名。直前腰痛リタイヤの鈴木(幸)を含めて計5名の予定であったが、何分にも高齢のためにこのようなことは、これからも予想される。一昨年の北海道合宿の4名、昨年のしまなみ海道は9名、今年は4名だ。
佐渡島は全島佐渡市、人口5万8千人、海岸線280km、面積は東京23区の1.5倍、沖縄本島に次ぐ大きな島だ。
(1日目 土曜日)
上越新幹線にて新潟着8:58。いつもの出勤と変わらない。新潟港から佐渡両津港まではジェットホイルで65分。ヤマトの営業所で輪行袋を受け取り組み立てた。なんと楽ちんな良い時代になったのだろうか。感謝!感謝! その時青木氏の悲鳴?「チューブのバルブが折れている。パンクしている」そこは老練な長田氏がチューブを交換し事なきを得る。
天気も良くいざ出発。トイレと食事は早め早めにとの鉄則により、昼食は走って5分の街の食堂。この鉄則は以降も佐渡においては有意義であった。
佐渡はカタカナの「エ」、または、アルファベットの「S」の字形に似た特徴的な形の島である。北に大佐渡山地、南に小佐渡山地、この2つの間に穀倉地帯の国仲平野が広がる。我々は国仲平野を西に走り、国仲平野の西側の真野湾にでた。真野海岸を北上し、佐渡金山に向かう。小さな峠を越え、相川のバスターミナルで「金山ぐるりんバス」に乗り換え、いざ金山へ!
資源枯渇のため平成元年に操業を休止するまでの、388年間に採掘された金は78t、銀2,330tにのぼり、当時日本最大の金銀山だった。50年同期中村氏提供の坑道周遊券をゲットし入坑。寒いくらいの気温のなか、蟻の巣のような坑道を掘り進み、手動の排水装置を終日動かす。金の魅力とはいえさぞかし疲れることと思い、先人の苦労を思う。外に出るとメガネがすぐに曇ってしまった。
ターミナルに戻り、自転車に乗って鹿伏温泉「相川やまき」ホテルへ。着くとロビーの一角の絨毯敷きのコーナーに案内され、愛車も休憩。1日目無事完走! 佐渡は車が少なく道路が良い。本日の走行距離 約22km。
夕食は宴会場で堪能、旨い肴を食し生ビールに地の焼酎1本飲んじゃった。夕食後はロビーで、地元ご婦人たちの「佐渡おけさ」を堪能。
ハアー 佐渡へ(ハ アリャサ)
佐渡へと草木もなびくヨ(ハ アリャアリャアリャサ)
佐渡は居よいか 住みよいか(ハ アリャサ サッサ)
(2日目 日曜日)
玄関先で記念撮影後、一路小佐渡を反時計回りで廻るために海岸に沿って小木に向け走行開始。途中の見晴台で休憩、佐渡金山「道遊の割戸」(金試掘のために山を2つに割った)が見えた。夫婦岩、長手岬を過ぎて、海岸沿いに景勝地の連続、七浦海岸、佐渡風塩工房で味見。佐渡に自生するトビシマカンゾウのオレンジがきれいだった。
曽我 ひとみさんが1978年8月12日北朝鮮に拉致されたという真野海岸を南に走る。佐渡は順徳天皇、日蓮、日野資朝、能の大成者である世阿弥が配流された地でもある。順徳天皇の火葬を行なった真野御陵(まののみささぎ)を左にして走行。
少し走ると向かいから初老のサイクリスト、前後にサイドバック、デニムに斜めの帽子、赤銅色のお顔。
「どちらから?」
「岐阜県から走ってきた」
「どちらに?」
「車での日本一周を終えたので、次は自転車で走っている」
「お泊りは?」
「テント持参し、自炊している」
「失礼ですがお年は?」
「70歳だ」
「1日どのくらい走ります?」
「60km走ると疲れるね」
恐れ入りました!! 我々はまだ若い。反省しまだまだやれるはず!と決意を再確認。お互いの無事を願いながらお別れし走り出す。
ホテルを出て初めて見つけた食堂がすごい食堂だった。民宿併設の長浜荘。いけすを持つ海鮮料理の店だった。東京なら2500円はする海鮮丼が1200円。旨かった。
そこからなぜか上り坂の連続、150mは上ったと思う。今回参加者の走力について触れておこう。
• 鈴木宏和氏:
ギアを交換し、前後のギア比を変化させてきた。その効果か、登坂モードに切り替えるといつもより20%位強かった。
• 長田氏:
低体重を生かし相変わらず上り坂が早い。
• 青木氏:
ギアを変えた宏和氏を長い坂で抜き去り、以降「スーパー清子」と呼ばれる。
• 浅賀:
平坦地は早いが、上り坂で急に遅くなる。上り走力に不安のある浅賀が終始PMを務めさせて頂いた。合宿後、ギアの歯を交換するためフレンド商会への持ち込みを決意。
今回最高標高の峠にようやく立った。坂を上れば下りがある。人生のようだ。小木港に向けて、背黒セキレイと競争で飛ぶように下った。
今夜の宿、小木温泉「かもめ荘」に入り、支配人に明日以降の走行ルートを相談。アドバイスを頂き、予定どおり小佐渡を反時計回りに海岸沿いに両津に向かうことに決定。ルートから外れる重要伝統的建造物群の宿根木集落までは、今日明るいうちの往復走行。船大工と千石船の里「宿根木」は小さな集落で、狭い土地に船大工の技術を使った木造の家がよく残されていた。
かもめ荘の夕食は期待以上に良かった。佐渡では必ず肉厚の刺身と、かにが丸ごと出てくる。次から次と魚料理が出てくる。ここでも生ビール、地の焼酎で盛り上がった。本日の走行距離 58km。
(3日目 月曜日)
佐渡ではトイレと食事は早め早めにとの鉄則により、8:30開店のスーパーひまわりで昼食用におにぎりとバナナを購入。皆はこの先食堂くらいあるだろうとの甘い認識により、おにぎり1個、浅賀は用心深く2個購入。このことが後々意味を持つことになる。
佐渡の南海岸はどこまでも続く、きれいな海と青い空。赤泊までは、4人だったが、長田氏は所要により、ここまでの同行。小木港まで戻り、フェリーで直江津に渡った。お疲れさんでした。残る行程は3人で走ります。途中、昨晩まで飲んだ生酒や焼酎の蔵元「北雪酒造」を見つけた。横見をしていた自転車は急には止まれない。間一髪で追突されそうだった。
次は恐れていた長~いトンネル「多田トンネル」1510mもある。幸い照明もあり、交通量も極少なく、涼しく順調に通過した。小佐渡の南岸は、とにかく道が良くて車が少ない。皆様にもお勧めします。どこにいてもうぐいすのさえずりが聞こえた。空を飛ぶ朱鷺を見たかったが、お目にかかれなかった。左に山の緑、右にきれいな海、その先遠くには新潟本州八海山が見えた。
走り続けて、松ヶ崎ヒストリーパークで昼食をとった。ここまでコンビニはもちろん食堂も見つけられなかった。鈴木氏と青木氏はおにぎり1個とバナナ1本、浅賀はおにぎり2個とバナナ1本と差を生じさせてしまった。物足りない我々はその先期待は出来ないが、更に走った。あった! 小さなJAの売店を見つけた。ちょうどパン屋さんが納品にきていたので、パンをゲットできた。大きな幸せ。10分前に来ていたら、棚にパンはなかった。売店のおばさんはすごく親切だった。この奥がパンフレットにも載っている「岩首の棚田」と教えてくれたが我々に棚田まで上る力は無かった。
学校らしい校舎を何箇所か見たが、校庭には草が生えていた。閉校跡を3箇所見た。少子化だ。赤亀岩などの景勝地で休憩しながら走り続けた。芭蕉の俳句「荒海や佐渡に横たふ天の川」をイメージしてきたが、眼前の景色は、穏やかな海と真っ青の空と鯨の泳ぐ雲だった。
「静けさや 空にしみこむ うぐいすの声」
姫崎を過ぎて西に向かった。前日の150mの峠と今日のこれまでの小さな坂の連続により、浅賀の足はかなり余力を失い、上り坂は歩くことが多くなった。良いのだ、無事な完走が目標だ。加茂湖が見えてきた。椎崎温泉佐渡グリーンホテルはもうすぐだ。着いた。ばんざい! 夕食はまたまた刺身とカニとおけさ柿だった。生ビールと地酒で乾杯! 疲れたので、足にシップを貼って、8時に就寝した。本日の走行距離 60km。
(4日目 火曜日)
良く寝たので元気が半分位回復した。今日は加茂湖を半周し、朱鷺を見たいと思う。加茂湖では、牡蠣イカダが浮かび、牡蠣ガラの山がたくさんあった。殻を粉にしていた。チョークの原料かな? 朱鷺のための減農薬の田んぼの真ん中を走って、トキの森公園に入った。朱鷺のマスコットキャラクター「サドッキー」が出迎えてくれた。3人とサドッキーで記念撮影。かわいかったよ。
トキふれあいプラザでは、自然に近い大きなゲージに親子の朱鷺が生活し、身近に朱鷺が観察できた。マジックミラー越しに50cm位まで近くで観察できた。マジックミラーの前にドジョウの池が作ってあり、朱鷺がドジョウを追いかけていた。びっくりして感激した。すごい!
ヤマト運輸営業所まで走り、ヤマト便で送り、佐渡港に着いた。総員無事完走だ!! 本日の走行距離 18km。14:25のジェットホイルまで時間があるので、最後の海鮮丼を注文した。生ビール2杯と漁師汁がなんとも言えず旨かった。
<総括>
4日間全て好天に恵まれた。事故、落車など無かった。道が良くて、車が少ない。自転車天国だった。自然が豊かにあって、人口が減っていて、観光で応援できて良かった。海鮮料理が質・量とも充実し旨かった。佐渡に行きたいと発信してくれた青木さん、プランと予約をしてくれた鈴木さん、一緒に走ってくれ、地理を教えてくれた長田さん、みんなありがとう!!! 全走行距離 158km、累計獲得標高 1220m、皆さんにも佐渡島をお勧めします。
佐渡へ 佐渡へと草木もなびくヨ 佐渡は居よいか 住みよいか(観光に良いよ サッサ)
終わり
走行コースは以下参照下さい。
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追加の写真はページ上部「資料」にあります。
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コメント
2015年6月 鈴木 宏和 (第18代・昭和50年卒)
[コメント番号:m0164]
新幹線、高速JET船、輪行事前託送であっという間に楽に佐渡に渡れたのには時代の進歩実感。初めての佐渡巡り、ちょっとハードでしたが想い出に残る快適なサイクリングでした。浅賀さんの初投稿名文にも感服、さすがです! ちなみに今回に備え脚力補うべくギア歯数をフロントインナー、34→33枚へ、リアLow、28→30枚へ変更。効果絶大でした。あとは○○が課題。
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